トンブリーエリア
かつて短い期間ではありましたがタクシン王によるトンブリー王朝のあったこのエリアは、チャオプラヤー川西岸一帯に大きく広がり、ローカル色の色濃く残る都心とはまた違った風情を持つエリアです。以前はバンコク都ではなく、トンブリ県として独立した行政を持ったエリアでしたが、バンコクの急成長に伴って1975年にバンコク都に編入されました。
このチャオプラヤー川西岸域一帯は、雨季には水没して広大な水域と化してしまうデルタの中央部でしたが、トンブリーエリアだけは周りよりも少し高くなった地域で、アユタヤー王朝時代に盛んに運河掘削が行われ、周りの湿った土地とは違い乾燥した運河交通の発達した土地になったのです。 今でも当時の名残を色濃く残し、道路よりも運河の方が発達していて、通勤や通学、買物などもすべて運河を使った水上交通に頼っている地域があります。トンブリーエリアには2箇所の賑やかな繁華街があり、ひとつはウォン・ウィエン・ヤイと呼ばれるロータリーと国鉄のウォン・ウィエン・ヤイ駅を中心とした地区で、もうひとつはウォン・ウィエン・ヤイから北方向、チャオプラヤー川を挟んで王宮から程近い位置にあるプラ・ピンクラオ通り一帯です。
プラ・ピンクラオ通りの少し南には、バンコク・ノーイ(トンブリー)駅があり、チャオプラヤーエキスプレスボートのロットファイ船着場にも近いその周辺は、バンコクらしくない長閑な雰囲気が漂っています。